エンドカンナビノイドである2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)はストレスに対する馴化に関与しており、その増強はストレス誘発性の不安様行動を軽減する。慢性拘束ストレス(CRS)は、前脳などの一部の脳総領域において2-AGレベルを変化させる。
しかし、前帯状皮質(ACC)、尾状被蓋野(CP)、側坐核(NAc)、梨状皮質(PIR)といったストレス処理に関連する解剖学的構造における2-AGの詳細な空間分布やCRSによるその変化については、まだ不明である。
本研究では、マウスを8日間連続で50mL遠心管に30分間拘束した後、脱離エレクトロスプレーイオン化質量分析イメージング(DESI-MSI)を用いて、コントロールマウスとストレスマウスの冠状脳切片をイメージングした。
その結果、前脳から小脳にかけて、2-AGレベルは視床下部で最も高く、海馬領域で最も低かった。
ストレスマウスのACC、CP、NAc、PIRでは、コントロールマウスと比較して、2-AGレベルが有意に(p < 0.05)上昇し、2-AG前駆体レベルが有意に(p < 0.05)低下した。
本研究は、2-AGの発現と変化に関する直接的な証拠を提供し、個体が慢性ストレス下にある場合、ACC CP、NAc、PIRにおいて2-AGレベルが増加することを示唆した。
2024-03-04
2023-07-26
2023-07-20
2023-04-06